日韓親善宣教協力会の平島牧師のお話にこの本の話が有り、
読まなければならないと思って手に取った。
昭和の初めから昭和の終わりまで 一人の男性の生き方を通して
この時代はどんな時代であったかを思い起こさせてくれる。
昭和19年生まれの私は、戦後の事も知ってることはわずかだ。
物語として主人公竜太の生涯に一喜一憂したけれど、
感想の第一は「怖い」だった
いわゆる戦時下では何でもありなのだと言う事
思想による拘禁拘束は当たり前。拷問による死傷、冤罪も晴らせない
軍隊は椀力が強いことが優先で、暴力で人を殺せる勇気がなくてはならない
今の日本は軍国化に進もうとする意見が増えている
災害も怖いが戦争はけた違いに怖い。
第二は「人の本質は変わらない」
弱虫で臆病、誠実でまじめな優等生の彼が、上官が丸腰の農民を虐待して殺したとい
う自慢話に、反抗的な発言をしたため殺されかける。 満州からの逃避行中、自分だ
けが助かることや、何かにつけておもいやりのない自分に気づいて落ち込のは彼ら
しく、死の間際まで「人の本質は変わらない」ことが私にとっての慰めだ。
第三は「知らない」「知らせない」は罪だと思う
今この昭和の戦争の悲惨の実態を原因と結果を教育として学ぶべき時であると思う
しかし現実は反対の戦争教育(戦争をしたがるような、戦争するしかないと思うよ
うな)がなされている気がしてならない。